農地利用最適化へ 農地パトロール 神奈川・海老名市農業委員会

 神奈川県の海老名市農業委員会(鈴木守会長)は、改正農業委員会法の施行で4月1日に新体制に移行した。農地利用最適化を進めるため、農業委員と農地利用最適化推進委員、農業委員会事務局、市で一体となって、農地パトロール(利用状況調査および荒廃農地調査)を行っている。
 調査は2段階で行っている。▽農業委員と推進委員が各自で担当地区内の全ての農地の予備調査をし、遊休農地および荒廃農地の疑いのある筆を把握する▽農業委員会は予備調査の結果をもとに、荒廃農地の発生状況を取りまとめる▽市内を四つに区分けし、担当する農業委員、推進委員を四つに班分けする▽担当の両委員と事務局、市で再度現地調査をする▽利用状況調査および荒廃農地調査における区分の判断、荒廃解消に向けた対応などを検討する▽農業委員会が荒廃農地の地権者に適切な管理をするよう指導する――。
 8月に実施した農地パトロールでは、農業委員と推進委員、事務局、市で現地を巡回し、管内の農地の状況を確認した。8月8日には、4班のうち最も件数の多い上今泉・柏ケ谷・大谷・国分地区を巡回。荒廃農地の状況を確認して区分の判断を行った。
 荒廃の原因はさまざま考えられるが、非農家や市外在住者に相続され管理がされなくなるケースが多い。特に相続などで所有者が共有名義になったことで明確な管理者がいなくなってしまうと荒廃地化が進み、解消が難しいという。荒廃農地の中には、近隣の河川の整備が進まず、頻繁に氾濫し水害を受けるために耕作放棄され荒廃した農地もある。荒廃農地の解消には、所有者それぞれの事情に合わせた対応が求められている。
 今後、農業委員会では、市内全域の農地パトロールの結果を取りまとめ、荒廃農地の解消に向け適正な管理を依頼する文書を発送するとともに、農業委員、推進委員を通じ所有者に働きかけるなど、荒廃農地の解消に引き続き取り組んでいく。

写真説明=農地の利用状況を調査する農業委員、推進委員ら