農委魂 離農で放棄された農地を再生 北海道 陸別町農業委員会会長 多胡 裕司さん

 陸別町の山間地域では、後継者不足による離農が進み、離農地を引き受ける担い手の確保が重要な課題となっている。多胡裕司会長のトラリ地区も同様だ。
 同地区は、もともと農業者が少なく、町の中心から離れており、同地区からも他地区からも受け手を見つけるのが難しい状況にある。そのため、10年の間、耕作されていない離農地が出てきていた。
 多胡会長は、2年前に後継者がUターン就農したことで、その離農地2ヘクタールを引き受けられる余力ができ、耕作放棄地再生利用緊急対策事業を活用して、2015年から再生作業を始めた。重機を使って生い茂っていた雑草や雑木を取り除き、土を深く耕し、堆肥を与えた。2016年は、再度、堆肥を入れ、牧草の種をまく。
 多胡会長は、「受け手が見つからない中で、これ以上見過ごすわけにはいかなかった」と話す。