【ストップ鳥獣害】(179) ついで見回り・通報に治山工事業者協力 長野・伊那市

 罠を使った害獣の捕獲で課題となる毎日の見回り。長野県伊那市では、工事業者の協力を得て罠を見回る負担を減らす、「ついで見回り・通報」による捕獲を実施している。
 同市の国有林で治山工事を請け負う宮下建設(株)の社員が、通勤時に道路沿いに設置されたくくり罠を確認し、シカが捕獲されていれば猟友会に報告する。活動を開始した昨年8月から同11月までの4カ月間で158頭を捕獲した。
 林野庁中部森林管理局南信森林管理署が主導し、同署と上伊那猟友会、同社の3者で昨年8月に基本合意を締結して協力を始めた。
 同市はくくり罠によるシカの捕獲を推進してきたが、捕獲数を上げるために罠の設置を増やすほど、毎日の見回りが猟友会員の大きな負担になった。これをついで見回りが手助け。伊那猟友会長の牧田文男さん(72)は、「大いに負担が減った」と実感する。
 この成果も受け、2018年の同市のシカの捕獲数は前年から2割以上増え、1500頭を超えた。防護柵の設置など防除対策の成果も含め、同年の鳥獣害による農業被害額は前年から600万円近く減少した。
 同社の社員が通勤する道路の周囲に、昨年は125基の罠を設置。同署が罠を貸し出した。牧田会長は猟友会の緊急連絡網を作るなど、見回りの通報に迅速に対応できるようにした。

写真=罠の設置場所は猟友会と林野庁の職員が確認(林野庁中部森林管理局南信森林管理署提供)