多彩な活動で町の農業発展に貢献 鳥取・北栄町農業委員会
北栄町農業委員会(竹原正純会長)では地域計画の策定では町内全域の計画策定に取り組んだ。また、町の農業振興のため、まちづくり条例の発案や農業者同士の仲間づくり、情報発信に積極的に取り組んでいる。

北栄町は県中部に位置し、県内有数の農業地帯。黒ボク土地帯ではスイカ、花き、秋冬野菜を、砂丘地帯でブドウ、ラッキョウ、長イモ、白ネギが栽培され、水田地帯では大区画圃場整備が進み、集落営農組織も盛んだ。
同町では2013年、「北栄町農業のまちづくり条例」を制定。同町農業委員会の提案がきっかけで条例化され、これに基づき農業振興基本計画を作り「地域資源で稼ぎ賑(にぎ)わうまちづくり」「農林業の振興」の実現をめざしている。
同町では、25年3月までに地域計画を策定することとなった際、県内でも他市町村に比べ早くに取り組んだ。また、新規就農者が耕作するための農地や営農設備などを効率的に把握する必要があることから、町内全域での計画策定に踏み切ったという。
地域計画に欠かせない目標地図作りに活躍したのが「農業委員会サポートシステム」だった。同町農業委員会は同システムの活用頻度が県内一。農業委員会の中原広美事務局長が自らシステムを操作し、素案作成に腕を振るった。中原事務局長は、県内ブロック研修会でも事例発表し、他の農業委員会へ地域計画の必要性を説き、機運を盛り上げた。
同町の計画は今月公告。策定しただけでなく、地域の中で確認を続け毎年3月に計画変更する予定で、10年後の計画を10年かけて作る気持ちで話し合いを続けている。

同町農業委員会は、17年から仲間と話す機会を増やそうと「北栄町青年農業者研修会」を開催。「気候変動と農業経営」「未来へつなげる土づくり」「いつまでも活躍できる体づくり」などがテーマで、後継者の仲間作りに一役買っている。
24年度から農業委員会の意見書を元に「就農・営農相談会」を開く。町や県、JA、県農業農村担い手育成機構、同町農業委員会などが協力し就農研修、支援制度の説明などを行っている。
広報活動では、年4回の農業委員会だより「菜種」を発行。11年度、23年度には「農業委員会だより全国コンクール」で最優秀賞、19年度に優秀賞を受賞した。田村美智恵農業委員が広報委員長を務め、広報委員8人が編集。町民からも好評だ。
中原事務局長は「農業委員、推進委員一人一人が、現場で農家のために一生懸命活動している。事務局は委員会活動が北栄町農業の発展に寄与するよう、委員たちをバックアップしているだけ」と話す。