地道な勉強会重ね活動活性化へ 佐賀・嬉野市農業委員会
嬉野市農業委員会(石橋勇市会長、農業委員13人、農地利用最適化推進委員20人)では毎月、全国農業新聞やタブレットなどで勉強会を開く。そこで得た「学び」が、今後の活動で「実践」できるよう取り組んでいる。


県の南西部に位置する嬉野市は農業が盛んな地域だ。特産品の茶をはじめ、米や麦、大豆などの土地利用型農業、キュウリ、トマトなどの施設園芸などが営まれている。
同市農業委員会は2024年7月、改選された。その際、新任の農業委員・推進委員から、「農地制度について詳しく学びたい」「地域計画とは何か、委員はどのようなことをすればいいのか?」などという声があがり、定例総会後に勉強会を開くことになった。
農業委員会事務局の職員が、新聞記事や動画など題材を収集。各市町村農業委員会の農地利用の最適化活動をはじめ、当時、全国で進められていた地域計画作りなど、それらの先進的な内容を取り上げ、各委員は農業委員会活動について学んだ。
勉強会は各委員の意欲向上にもつながり、「地域から委員に求められているものは何か」「どうすれば農業がもっと活性化するのか」「他地域の事例を嬉野市の地域計画や目標地図作りにどう活かすか」など、活発に議論をするようになったという。
大曲良太事務局長は現在も、委員のその真剣な思いをカタチにしたいと考え、委員の背中を押し続けている。

同市において地域計画を作る際、石橋会長は「『地域計画の策定は市農政部局、目標地図の素案作成は農業委員会』と言っていたらうまくいかない。関係機関の垣根をなくして取り組む必要がある」と、思いを関係者に伝えた。
市の関係部局、JA、土地改良区、県の関係部局と同市農業委員会はその思いを受け、プロジェクトチームを発足した。国の緊急対策事業を活用して協議の場のファシリテーター役を県土地改良事業団体連合会に委託するなど、協働して市内7地区で話し合いを進めてきた。
協議の場で各委員は、出席者に対し丁寧に情報を伝え、不安な気持ちに寄り添いながら意見交換を進行。各委員は、地道な勉強会の積み重ねで地域計画の策定に向けた理解と協力を得る大きな役割を果たすことができたと胸を張る。
同市農業委員会は、これからも関係機関と連携し、策定した地域計画の実現に向けて「学び」を活かしながら取り組んでいくと意気込む。