関係者一体で遊休農地の活用推進 岐阜・各務原市農業委員会
各務原市農業委員会(河合正嘉会長、78)は、農業委員・農地利用最適化推進委員、事務局が連携し、地区ごとに遊休農地の解消・発生防止、農地集積・集約に取り組んでいる。また、女性委員の登用促進に早期から力を入れ、今年の改選で女性の割合が高まった。

各務原市農業委員会では、諸事情で耕作できない農地所有者に寄り添って活動している。
同市稲羽地区では、認定農業者で農業委員の岩井孝朗さん(65)が中心となり、そういった農地所有者に働きかけ、遊休農地の解消・発生防止に成果を上げている。
相続人が県外におり、管理できず遊休化した農地を岩井委員が耕作できないか事務局と協議。農地所有者2人に連絡し、貸借の合意を取りつけて遊休農地の解消につなげた。3筆計16㌃あった遊休農地は草木が繁茂していたため、国の遊休農地解消緊急対策事業を活用し、抜根などして再生した。
また、集約化し効率的な耕作のため、地区の農業委員・推進委員が同じ所有者の農地の畔を撤去。大区画化も進めた。
他にも、相続土地国庫帰属制度の相談を受けた事務局が、その相談者に岩井委員を紹介。周辺の農地とあわせて、借り受けすることを決めた。
岩井委員は「管理したくてもできず悩んでいる人は多い。意向に応えて協力し、今後も集積・集約化していきたい」と話す。
同市農業委員会は、今後も委員による農地の見回りや情報収集を行い、関係機関との連携を強化し、遊休農地の発生防止・解消につなげていく。
同市農業委員会は女性委員の登用にも力を入れている。
今年4月に改選があり、女性農業委員が1人から5人に増え、女性推進委員が1人誕生した。農業委員の女性割合は26.3%と飛躍的に女性登用が進んだ。
秘訣は、2年前から女性の委員登用の促進に着手したこと。JA女性部会や認定農業者の配偶者などから候補者を掘り起こし、早くから委員挑戦への働きかけを粘り強く行い、一人一人応募につなげていった。
河合会長は「女性や若手が増え、それぞれの視点で多くの声が聞けることを期待している。次期改選を見据え、若手が認定農業者になることを推進するとともに、女性や若手がさらに活躍する委員会にしたい」と話す。