委員が担当地区で「農談会」を開催 京都 宮津市農業委員会

 宮津市農業委員会(関野掲司会長)では、地区ごとの課題を解決して「持続可能な農業・農村づくり」を進めるため、市内を旧村単位の10地区に分け、農地利用最適化推進委員(10人)と農業委員(14人)が担当地区で「農談会(話し合い)」を定期的に開いている。

非農家が参加する「農業お助け隊」を結成し、地域ぐるみの団体戦で農地を守る(吉津地区)

 同市農業委員会では、各集落の農家組合長など73人を「農業委員会協力員」に委嘱。農談会には協力員が参加する。
 旧村単位または集落単位の農談会を重ねることで、個人では解決が困難な課題を地域ぐるみで解決する機運が高まり、全10地区で地域計画を策定することができた。
 本年度も、7~8月に農地利用状況調査に併せて農談会を開催するほか、通年で地域計画の見直しや実現に向けた話し合いを推進していく予定だ。
 吉津地区では、地域農業の将来を考える話し合いを通じて、農地を守る取り組みを「少数の担い手による個人戦」から「非農家を含めた地域ぐるみの団体戦」に転換した。
 推進委員がLINEグループで呼びかけ、非農家中心の地域住民が獣害防止柵や水路の維持管理・除草作業を助ける「農業お助け隊」を結成。農業者と非農家の協力体制で持続可能な地域農業の仕組みづくりに取り組んでいる。
 日ヶ谷地区では、毎月15日に地域の将来について話し合う「日ヶ谷15日会」を続けている。会議は「気楽に!楽しく!中身濃く!」を合言葉に、農家と非農家が一緒にグループワークを行い、持続可能な地域づくりに不可欠な移住者の受け入れについて協議を重ねてきた。
 その結果、移住者の受け入れと定着をサポートする「日ヶ谷ぐらし応援隊」を結成。日ヶ谷をPRするチラシの作成や体験イベントの実施などの取り組みが始まっている。

「日ヶ谷15日会」のグループワーク
女性委員が企画した「若手農業者の集い」(1月21日)

 同市農業委員会は、女性農業委員の発案で毎年「若手農業者の集い」を開いている。毎回、市内の若手農業者(約20人)が参加し、前半は研修、後半は交流会を行い、貴重な情報交換の場となっている。
 女性委員が聴取した若手農業者の要望は、宮津市農業委員会の「農地利用最適化施策に関する意見書」に反映し、毎年11月に宮津市長に提出している。