タブレット使い業務効率化 独自様式の活動記録簿作成 高知・佐川町農業委員会

 佐川町農業委員会(北添正男会長、農業委員9人、農地利用最適化推進委員13人)は、全委員がタブレットを使った利用状況調査を実施する。また、事務局が作成した独自様式の活動記録簿を導入するなど、業務の効率化を進める。

タブレットを使うにあたって研修を受ける委員

 佐川町は県中西部にあり、水稲栽培と施設園芸が盛んで、トマトやニラ、イチゴ、ショウガ、ナシ、茶などさまざまな品目が生産されている。
 同町農業委員会は、委員会活動の効率化のため、2022年度から農業委員と推進委員の全員にタブレットを渡している。
 導入の際は、県農業会議と連携し、現地確認アプリなどの操作研修会を数回開催。研修前は「できるわけがない」「自信がない」と話す委員もいたが、研修後は「できそうな気がする」などの前向きな発言が増えた。
 タブレットでの利用状況調査を実施した後は、「紙よりずっとやりやすい」「調査対象農地の場所がわかりやすい」と好評。結果は農業委員会サポートシステムと連携するため、事務局の作業時間も大幅に改善された。
 タブレットは定例総会でも活用する。23年度までは定例総会の議案を事務局が印刷し全員に郵送していたが、24年度からはタブレットに議案のPDFデータを送付する。メールで送ることで、名入れや印刷などの作業が不要になり大幅な時間短縮になった。
 北添会長は「最初は不安だったが、使っていくうちに徐々に慣れてきた。まだ操作に戸惑うことも多いが、現地確認アプリを使うことで農地利用状況調査も今までより楽になった」と語る。来年7月には改選があることから北添会長は「調査時期や操作研修会などの検討が必要だ」と話す。

活動記録簿の記入方法もわかりやすく工夫。書く手間を無くし、レ点で回答できる

 同町農業委員会はまた、活動記録簿も独自様式を作り運用している。
 以前は国などが用意した様式だったが、「文字を書くのが大変」「書き方がよくわからない」という声も多く、提出が遅くなることもあった。委員からの相談で独自様式の検討を開始。先進的に取り組んでいる他県の様式を参考に、22年から試験的に運用を始めた。
 工夫した点は、文字を書く手間をできる限り無くし、記録と集計をしやすくするため項目に「レ点」を付けるだけにしたこと。1カ月ごとのカレンダー形式と活動項目別の記入例も作成し、23年度から本格運用した。
 22年度は2人当たりの月の活動日数は7.61日だったが、23年度は17.8日、24年度は19.5日と増加。「独自様式が以前のものより記入しやすいし、事務局からの声掛けでちゃんと記入するようになったことが活動日数の増加につながったと思う」と北添会長は語った。