タブレット活用し委員会活動推進 岩手・金ケ崎町農業委員会

 金ケ崎町農業委員会(菊地成壽会長、農業委員18人)は、タブレットを活用した農地パトロールを行う。利便性を実感しながら、遊休農地や違反転用の発生防止に積極的に取り組んでいる。

タブレットを使った農地パトロール

 金ケ崎町は岩手県南西内陸部に位置し、奥羽山系の山麓地帯では広大な牧草地を活かした畜産が、東側に広がる肥沃な扇状地帯では米、野菜、花きなどが営まれている。
 同町農業委員会では、全委員にタブレットを配備しており、本年度から本格的に農地パトロールにタブレットを活用。毎月の総会終了後、事務局職員が講師となり操作方法を研修した。連絡手段でもラインワークスを使うことで、タブレットに慣れ親しんできた。
 以前の農地パトロールは、農地一覧と地図を紙で準備し、現地で結果を記録してきた。タブレットでは、遊休農地の状況や写真を現地確認アプリで一筆ごとに登録でき、農業委員会サポートシステムとも情報が連携できるため、調査時の記録の手間と事務の負担軽減につながっている。
 多くの委員からは、周辺の農地情報もリアルタイムでわかり、紙より便利といった声があがっている。明るい場所では画面が見づらいといった意見や、山間部では通信不能となるトラブルはあったものの、委員の感想はおおむね好評だ。

出発式で決意を述べる菊地会長
出発式に参加した農業委員

 同町の遊休農地面積は、2023年度末で6.7㌶だったが、24年度末で15.3㌶に増加。圃場整備が計画されている地域でも遊休農地が増えつつあり、圃場整備事業の早期着工を望む声もあがっている。同町農業委員会では、このような地域の農業者や住民の声を聞き、遊休農地や違反転用の発生防止を進めている。
 髙橋寛寿町長は9月3日に実施した農地パトロールの出発式で、「地域計画と圃場整備事業を結び付けて、時間はかかるが水田の大区画整備と大規模経営体の育成を進める。皆さんの取り組みにより農地を維持してほしい」と激励した。菊地会長は、「農地が有効に使われるよう、農業委員会の力を十分に発揮したい」と決意を述べた。