タブレット活用で業務効率化 山口・山陽小野田市
山陽小野田市農業委員会(田尾光一会長、農業委員14人、農地利用最適化推進委員14人)では、2022年度に全委員にタブレット端末を配付。総会や農地利用状況調査で活用するほか、本年度から新たに活動記録の入力も始め、業務の効率化を進めている。

山陽小野田市は県の南西部に位置し、水稲を中心に、キュウリやトマト、ネギなどの野菜やブドウなどの果樹の栽培が盛ん。
タブレット端末は、22年に国庫補助金を活用して全委員分28台を導入。同年11月の委員への配付を前に10月から操作方法の研修を行い、12月の総会から使い始めた。
毎月開催する総会の議案は、これまで事務局が印刷して各委員の自宅に送付していたが、タブレットにアップロードした後にメールで通知することにした。毎月の印刷と送付が不要になり、事務局の負担軽減や経費節減につながっている。
農地利用状況調査でもタブレットを積極的に活用している。23年7月から始まる調査に向けて毎月の研修を継続するとともに、委員が簡単に入力できるよう、独自に改良した入力補助用のソフトウエアキーボードを作成。定型文を1キーで入力できるため表記に個人差が出にくく、事務局のチェックも容易になった。
また、「耕作中」と「遊休農地」の間の状況として独自に「不作付地」という区分を設け、農地の管理状態をより詳細に把握できるようにした。
本年度でタブレットを使う調査は3年目になるが、委員からは「自分の位置がわかるので農地の状況を早く正確に把握できる」「現地で記録ができるので作業時間が短縮した」との声がある。一方、「場所によってつながりにくい」「長時間使うと電源が切れる」といった意見もある。

今年6月からはタブレットで活動記録簿の入力を始めた。これまで各委員は毎月、紙の活動記録簿に活動内容を記入して事務局に提出。事務局はこれを整理して点検・評価などの業務に活用していた。タブレットなら活動記録を短時間で毎日入力することができ、事務局もデータ上で活動記録を整理できるので、業務効率が格段に向上した。
操作方法の研修会は5月から複数回行った。委員によって操作の習熟度に違いがあることから班を編成し、習熟した委員を各班に置いて教え合うなど研修方法を工夫した。
田尾会長は「最初は使い方がわからない委員もいて事務局には大変苦労をかけたが、タブレットにはできることがたくさんあり、大いに役立っている。全国に広まってほしい」とタブレット活用に前向きだ。
