女性農委登用活動が奏功 神奈川・愛川町農業委員会
女性農業委員登用拡大が求められる中、神奈川県愛川町農業委員会(加藤一男会長、農業委員10人、農地利用最適化推進委員4人、事務局3人)は、女性農業委員登用に向けた取り組みを促進してきた。その結果、本年度、新たに3人の女性農業委員が就任した。

愛川町は県中央の北部に位置し、黒土で肥よくな土壌と丹沢山系の良質な水に恵まれた農地が広がる。
国が2020年に策定した「第5次男女共同参画基本計画」では、農業委員に占める女性の割合を30%になるようめざしており、各地域では女性の登用に向けた啓発をすすめてきた。
同町農業委員会もまた、委員改選などの機会を捉え、農業法人やJAなど各関係機関で女性候補の推薦を呼びかけてきた。事務局も農家をまわり、女性の農業委員への参加協力を促した。その活動が功を奏し、今年8月の改選では、今までいなかった女性委員が一挙に3人となった。事務局は「女性の視点が加わり、委員会がさらに活気づくことを期待している」と話す。

3人の女性委員はそれぞれの地域で活躍する。
木藤友子委員は、実家が代々「木藤農園」を経営する農家で、果菜類、葉茎菜類、根菜類のほか、果物や山菜など約50種類もの農作物を生産しており、自宅に隣接した直売所で販売している。
木藤委員は、事務局の丁寧な説明で就任前に抱いた不安も解消されたと話しており、「土壌に優れ、おいしい野菜が取れる町の魅力をもっとアピールしていきたい」と意気込みを語る。
高野橋絵美委員は、荒廃農地が有効活用できるよう力を入れている。同町で農業をする父親を手伝う中で荒廃農地の実態を目にしてきた。高齢化などで後継者もなく、自家消費分だけを栽培する農家の多さを認識。このような農家に多くの農作物を生産してもらい、自身は集荷・梱包(こんぽう)・販売を担うNPO法人「ラグレーヌ」を立ち上げ、販売面で支援している。
高野橋委員は「スーパーのない地域への移動販売など買い物支援をすることで地域との交流を深め、町の野菜の良さを内外にも広めたい」と語る。
県の新規就農者の研修機関でもある「有機農園けのひ」共同代表の北原祥子委員は、就農15年目。発酵熱を利用して苗を育てる「踏み床温床」などで80種類の野菜を生産している。「けのひの旬の野菜セット」をネット販売するほか、レストランや学校給食などへも供給している。
北原委員は「土壌の良い町の農地を将来にわたって有効活用し、どうつないでいけるかを考えている。好事例になれるよう取り組みたい」と今後の展望を語る。
同町農業委員会の加藤会長は「女性の感性による新たな視点やアイデアを活かしてほしい」と将来を見据えている。
