つなごうバトン!「リレーションシップ(1・5・一絵)活動」 鹿児島 県農業会議・市町村農業委員会
地域計画は鹿児島県で660、全国で約1万9千が策定され、今後は実現とブラッシュアップが重要となる。計画の策定主体は市町村だが、農業委員会には農地利用の意向把握と委員の地域の話し合いへの参加で目標地図の見直しに向けた情報提供などが期待されている。鹿児島県内の農業委員会では、これらを「鹿児島の農業委員会リレーションシップ{1・5・一絵(いちごいちえ)
}活動」として取り組んでいる。

同活動は、農業委員・農地利用最適化推進委員が1カ月に5戸程度の農家を戸別訪問する。農地の利用意向を把握し、それを関係者と共有して地域農業の将来ビジョン(一枚の絵)の策定に役立てるもの。出会いを大切にする意味の四字熟語「一期一会」と活動内容とを掛け合わせた名称だ。
2015年の農業委員会法改正で、農地利用最適化の推進が主な役割となった際、「最適化の3本柱の重要性は分かるとして、委員は明日から何をすればいいのか」という声が少なくなかった。
県農業会議では当時、「農地利用の最適化は、現況だけでなく意向把握が大事。当時のセンサスの農家数約6万4千戸を約1千人の委員数で割れば1人当たり60戸。12カ月で割れば1カ月に5戸ずつで全農家の意向を確認できる」と各種会議で委員へ説明した。
一定の理解を得た17年、県と農地バンクと連名で前身の「鹿児島の農地『貸したい』『借りたい』総点検(1・5・一絵活動)」を提案。翌年度から本格的に活動を始め、コロナ禍の自粛などもあったが、24年度までの7年間で約7万戸の意向を聴取。目標地図の素案作成にもこの活動で得た情報が役立った。

地域計画は策定されたが、その多くは集約の姿を描くには至らない。引き続きの意向確認や計画実現に向けた農地の利用調整活動が必要なため、県農業会議は25年の春、活動の継続を提案した。
開始当初から年数が経過し、各農業委員会間の温度差やマンネリ化もあるため、活動内容の根幹は変えず関係性やつながりなどの意味の「リレーションシップ活動」に名称を変更。「人と農地をつなぐ」「リレーのように次世代にバトンをつなぐ」などの意図を込めた。
地域計画をふまえた対象農家名簿の再点検や、繰り返しの訪問での農家・委員双方の負担を減らすため「おかわりないですか」と前回からの変化を聞きとる工夫も勧める。
大崎町農業委員会(二見さち子会長)では、リレーションシップ活動提案を受けて、改めて訪問活動の重要性を確認。活動の本旨に立ち返り、各委員に毎月5戸の訪問先を割り当てるなど活動強化し約半年間で194戸の意向を確認した。
二見会長は「毎月、コツコツと意向を積み上げることが、月10日を目標とする最適化活動日数の確保にも役立ち、地域農業の将来ビジョン策定につながる。次世代へしっかりとバトンをつなげていきたい」と抱負を語る。
