新規就農希望者の挑戦を後押し 新潟 見附市農業委員会
2023年の農地法改正により農地取得の下限面積要件が廃止され、小面積の権利取得が可能となった。改正前まで30㌃を下限としていた見附市農業委員会(関谷常夫会長)は、廃止後数件の相談を受けた。その中で「世界のイチジク」に着目した夫婦に農地をあっせん。新規就農希望者と農業委員会、農地所有者の3者が出会い、実を結んだ。

高橋恒允(のぶまさ)さん(43)と都さん(38)は長年、「退職後にイチジクなどの苗木販売をしたい。農地を取得し会社勤めをしながら農業を始めたい」という想いを持っていた。23年の法改正で小面積でも農地を取得できることを知り、さっそく同市農業委員会に相談した。
同市農業委員会は新規就農について「本気度を見極めることを大切にしたい」と考えており、新規就農希望者は面談による事前審査を実施している。営農計画書などで継続的に耕作できるかを慎重に判断しており、高橋さんの「本気度」を確認した同市農業委員会は、三本友子農業委員にマッチングを依頼。三本委員は齋藤義夫農業委員らに協力を求め、農地を探した。
同市農業委員会は、日ごろから農地パトロールを行い適正に耕作されているか確認している。三本委員らがマッチングしたのは80代の女性が所有する10㌃の畑。高齢化で「きちんと管理できる方にお願いしたい」と齋藤委員が相談を受けていた。高橋さん夫妻は23年12月に契約。農地所有者から作業所や管理機も借りることもできた。

高橋さん夫妻は、さっそく世界各地のイチジク25品種の苗木やブルーベリー、野菜を作付けた。農場名は子どもの名前をアレンジした「まもさんファーム」にした。就農後、苗木販売から生産物の販売へ考えがシフト。25年から「まちの駅・ネーブルみつけ」やJAの直売所でイチジクなどを売る。高橋さん自らが市内の洋菓子店に直接売り込み商品化が実現した。
都さんが参加する「みつけ農業女子の会」として2025年みつけ秋の物産まつりに出店し、洋菓子店とコラボした商品を販売するなど活動を広げる。三本委員は「展開が早い」、齋藤委員も「新しい農業だ」と高橋さん夫妻の動きに目を見張る。
園芸に詳しい農業委員が栽培の相談に乗るなど、就農後の協力も惜しまない。関谷会長は「複数の委員がそれぞれの立場で動いてくれた成果だ」とチームワークの良さを語ってくれた。


