地域の総力あげ農地・担い手守る 関係機関や住民と連携 徳島 阿南市農業委員会

 阿南市農業委員会(阪井保晴会長、農業委員19人、農地利用最適化推進委員18人)では、関係機関と連携し、地域計画のブラッシュアップを進めている。地域での話し合いに積極的に参加するだけでなく、農作業安全対策や後継者対策など、農地と担い手を守る取り組みを行う。

担い手などが集まり地域計画について協議

 県南東部にあり、四国の最東端に位置する阿南市は、温暖多雨な気候が特徴だ。米、促成栽培キュウリ、トンネル洋ニンジンなどの生産が盛んで、米の生産量は9480㌧(2024年産)で県内1位を誇る。
 地域計画の策定では、市と農業委員会で連携し、市内を14地域にエリア分けした。その後も地域ごとに年1回、協議の場を持ち、地域計画のブラッシュアップを進めている。本年度は10月から26年2月にかけて全地域で実施しているところだ。
 協議には、文書と市のホームページで参加を呼びかけ、耕作者と農地所有者、農業委員、推進委員、JA、県、市などが参加。司会は農業委員や推進委員が、説明は市農林水産課事務局が担当している。
 「地域農業における現状と課題」や「地域農業の将来のありかた」について協議をした後、市が地域農業の課題解決のための支援事業を説明する。支援事業の内容で気になったことや自身が感じた課題について話し合い、地域計画のブラッシュアップにつなげている。

実際に農機具を取り扱って学んだ講習会

 阿南市は女性農業委員が5人、女性推進委員が4人おり、県内で一番女性委員が多い農業委員会だ。そのなかの一人、井出敬子委員は、刈払機やトラクターなどの農機具が使える女性の担い手が増えれば、耕作放棄地の増加を食い止めることにつながると考え、21年から24年まで「女性のための農機具講習会」を開いてきた。
 井出委員が農機具メーカーに依頼し、講師派遣と最新の農機具を準備してもらった。また、近隣農家の協力を得て、実際に演習する農地も確保。参加者の募集は市の広報誌や地元農協のJAだよりで実施し、事故に備えた保険加入の手続きや参加者の取りまとめは徳島県農業委員会女性協議会が行った。
 講習会では、まず安全講習を行い、その後、実際に機械に触れながら、農機具の取り扱いを学んだ。講習会には30代の若い担い手もいた。講習会後のアンケートでは「今後も開催してほしい」といった声が多く、非常に好評だった。
 県内で2番目の人口規模を誇る阿南市でも農家の後継者不足は深刻な問題だ。その対策として1998年に同市農業委員会内に発足した「阿南市農業後継者育成連絡協議会(しあわせネット・ANAN)」がある。担い手農家などが安定した農業経営ができるよう、お嫁さんやお婿さんの紹介活動をしている。
 しあわせネット・ANANは農業委員会が推薦した推進員20人が、毎月1回話し合いを開いている。推進員同士の情報交換や、各推進員が地道な訪問活動を行うなど、カップルが成立するよう活動。今までにお見合い340組、結婚27組を成立させ、農家のパートナー探しに奔走している。