耕作地交換し農地集約を実現 宮崎・延岡市東海地区
宮崎県延岡市東海(とうみ)地区では、地域の担い手2人が農地集約を実現した。地域計画の話し合いがきっかけで耕作地の一部を交換することを合意。市では今後も、話し合いなどで地権者の同意が得られた農地の交換を進めていく。

延岡市は県北東部に位置し、九州山地を背に五ヶ瀬川が流れる日向灘に面した市だ。九州では2番目に広い面積を有する。
兼業農家が多く、沿海地域では水稲や畜産を中心とした経営が、中山間地域では花木や果樹、畜産を組み合わせた農業経営が展開されている。
宮崎県の基幹的農業従事者の平均年齢は65・5歳と高く(全国平均は2024年現在で69・2歳)、今後人口減少や高齢農業者のリタイアに伴う担い手の減少、労働力不足が懸念されている。
25年3月に策定した同市の34の地域計画でも、将来の受け手が位置付けられていない農地は約600㌶(地域計画面積の30%)に上ることが判明。これらの農地を担い手に集積・集約し、作業効率化を進めなければならないことが浮き彫りになった。
一方、同市東海地区では地域の担い手2人の話し合いから農地集約が進んだ。水稲と施設でイチゴを生産する川原博之さん(59)と水稲と施設野菜を生産する農業委員の貫藍(ぬきあい)さん(48)だ。
2人は当時、地域計画の協議に出席し、現在の耕作者が書かれた地図を見ながら、お互いの耕作地を交換すると集約が進むことに気が付いた。
さっそく耕作地の交換をしようと話し合い、市にも相談。県や農業委員会、農地中間管理機構も立ち合い、市が仲立ちして耕作地を交換する「シャッフル会」を開いた。お互いの耕作地のうち、約1・5㌶、42筆の耕作地を交換することで合意した。
川原さんと貫さんは会の後、農地所有者に同意を得るため一軒一軒訪問し説明。市も今回の農地交換の趣旨と地域計画との関連性を説明するための資料や、地権者に協力を依頼する文書を作成するなど支援。一部の農地では地権者の同意が得られるなど、今後は耕作地の交換に移る予定だ。
川原さんは「長年特定の耕作者に任せてきたことによる地権者との信頼関係が、新しい耕作者への変更に対する抵抗感を生むなど、所有者との協議がスムーズにいかないことがある」と語る。
今回は一部ではあるが農地集約のスタートを切ることができた。同市では今後も、地権者の理解を得る活動を進める。地域計画のブラッシュアップに向けた協議の場なども活用しながら、農地の集積・集約に取り組んでいく。

