農地を活かし担い手を応援する 子どもたちに米づくり指導 山梨・西桂町農業委員会



山梨県南東部に位置する西桂町。主に米の生産が盛んで、大きくそびえる富士山を背に、米の栽培に励む農家の姿がよく見られる。西桂町農業委員会(佐藤工会長)は農家の担い手育成支援に取り組んでおり、その一環として西桂小学校の子どもたちに米づくりを教えている。
西桂町農業委員会と西桂小学校は例年、5年生の子どもたちを対象に町の主要農産物である米の育て方について体験実習を行っている。
普段当たり前のように食べているお米がどのように作られ、米農家がどのような苦労・工夫をしているかを学び、体験するのが目的。このような食育の取り組みは他の小学校でも例があるが、西桂小学校では地域の農業事情に詳しい農業委員を講師に招き、米づくりの体験実習を行っている。
主に教えるのは、田植え、稲刈り、脱穀、収穫など米づくりでも中核となる作業。農業委員の指導のもと、子どもたちは実際に田んぼに入り、作業に取りかかる。田植えが初めての子どもたちは、泥水に浸かることに抵抗があるようだが、長く浸かるうちに慣れてしまい、最終的には「もっと田んぼにいたい!」という声が上がるようになる。
各作業の終わりには質問コーナーがあり、「余った藁はどうなるのか」「一つの苗に何粒の実が成るのか」などの質問が寄せられ、農業委員が答える。豊富な知識と質問を即答する姿に子どもたちはいつも驚くという。
体験実習の講師であり、同町農業委員会会長の佐藤さんは「子どもたちが一生懸命米づくりを学ぶ姿に、いつも感動しています。この農作業体験をとおして、彼らが大人になった時に、ご家族が続けてきた米づくりを引き継ぎ、西桂町の農業を守り続けてほしい」と話す。
今年も収穫が終わった後に、校内の食堂で感謝祭が開かれ、子どもたちは農業委員と共に新米を試食した。感謝祭の最後には子どもたちから、米づくりについて教えてくれた農業委員へお礼を込めて手紙が送られた。
問い合わせは、西桂町農業委員会(電話0555・25・2121)まで。
写真(上)=農業委員が講師を務める米づくりの体験実習
写真(中)=校内の食堂で開かれた感謝祭
写真(下)=農業委員の豊富な知識に子どもたちはびっくり