農地を活かし 担い手を応援する 精力的に遊休農地解消 高知・土佐清水市農業委員会


農育兼ねて花畑プロジェクト
高知県の土佐清水市農業委員会(安田芳秋会長)は、遊休農地対策に精力的に取り組んでいる。農地法に基づく利用状況調査と利用意向調査の遊休農地に対する措置への対応をはじめ、遊休農地に景観作物を植え、解消につなげるなど、活動は多岐にわたっている。
同市では農地法に基づく農地利用状況調査を実施する際に、実施要領などに基づいて農地、遊休農地の判断基準を統一したうえで、調査を実施している。
また、農業委員と事務局が共に現地を調査し、かたよった判断とならぬよう相互に確認し、さらに総会ではかっている。
利用状況調査によって、遊休農地と判断された農地の所有者などに対し、利用意向調査を実施した際には機構への情報提供を通じて連携をはかるほか、示された意向に沿った解消活動を実践している。
同市では、こうした遊休農地への対応に努めるほか、市独自で解消活動にも取り組んでいる。それが遊休農地を農地へと復活させる「花畑プロジェクト」だ。
同プロジェクトは2011年度に年々増加する遊休農地を解消するために始動。遊休農地に景観作物を植える取り組みで、これまでヒマワリ、レンゲ、コスモス、ナバナなどを植えてきた。
まず、農業委員、事務局で草刈りを実施。定植の際には地元小学校の低学年や保育園児たちを招待し、ともに作業に励むことで、農育活動も兼ねている。昨年までは景観作物を作付けしてきたが、今年度はもち米に挑戦し、収穫後はもちつき大会を実施。地元食材を使った昼食づくりなど以前から取り組んできた食育活動と一体となった活動展開を目指している。
日頃関わらない農業の一面に触れることについて、子どもや保護者からの反響は大きく、「来年もやってほしい」と喜びの声が上がる。
現在では、将来、農業を志す人材が増えてくれればという思いから委員、事務局が一丸となって取り組む一大イベントとして定着した。
こうした活動は「農業委員会だより」でも取り上げ、周知に努めており、農業委員会活動を広く一般の方に理解してもらう活動の「見える化」へもつなげている。
写真上=農委らによる草刈り
写真下=子どもたちと収穫作業