農地を活かし担い手を応援する 体制整え農地利用最適化へ 茨城・桜川市農業委員会
茨城県の桜川市農業委員会(稲葉則夫会長)は昨年4月、農業委員会法の改正に対応して新体制に移行した。農業委員18人に加えて、農地利用最適化推進委員33人が誕生。活動体制を整えながら、積極的に農地利用の最適化へ取り組んでいる。
桜川市は、筑波山の北西部に位置し、隣接する筑西市とともに、小玉スイカの産地として生産量日本一を誇る。
同市農業委員会では、農業委員・推進委員が17班に分かれ、地区別の農地パトロールを5月26日〜7月24日、10月26日〜11月24日にかけて2回実施した。実施後の報告会を9月26日と1月25日に行い、推進委員17人が各地区の現状や取り組みについて各班5分ずつ発表した。
荒廃農地の判断基準を統一し、農地パトロールなどに取り組むため、11月25日に現地研修会も行った。
また、農地中間管理事業を推進するため、農業委員会独自に研修会を企画。県農林振興公社や県農業会議が開催した研修会などにも参加し、農業委員・推進委員の役割などの理解促進に取り組んだ。
推進委員を務める藤田恒男さんは元銀行員。同市真壁町の田地区・真壁地区の二つの地区を受け持つ。さまざまな研修会に参加して、農地の集積・集約化の必要性を感じ、地元農業者に農地中間管理事業の周知を図った。
農地中間管理事業の説明会を自ら企画し、通知文を作成するなど、自身の受け持ち地区の地主や耕作者に対して案内し、7月16日は田地区、7月30日は真壁地区で説明会を行い、それぞれの地区で約50人の農業者が参加した。
説明会の前には、疑問点を市や県西農林事務所など関係機関に確認し理解した上で、説明資料も自ら作成、事業の内容やメリットなどを説明した。その結果、2人の農家が農地中間管理事業に賛同し、自らも加わり農地の集積・集約化につなげた。
また、地主と耕作者の状況がわかるよう自ら地図に色をぬり、農地の状況把握に努めている。
これまでの活動を振り返り、「優良農地は借り手が見つかりやすいが、山間の農地をこれからどうするかが課題です」と藤田推進委員。
今後は「農地の活用など地主にヒアリングし、意向を把握していきたい。とにかく、地主・耕作者に事業内容を理解してもらえることが推進委員の活動の一つです」と藤田推進委員は話した。
現在、農業委員会では、会長・会長職務代理者など農業委員8人により「活動企画委員会」を設置し、現場の声を今後の農業委員会活動に反映させようと取り組んでいる。今後、岩瀬・大和・真壁の各地区ごとに推進委員2人が加わり、農地パトロールや利用意向調査の進め方などについて検討する予定だ。
写真上=荒廃農地の判断基準を統一するための現地研修会
写真下=地図を手にする藤田推進委員(右)と神野広幸事務局長