第23回「農委だより全国コンクール」特集

 全国農業会議所と本紙が主催する第23回「農業委員会だより全国コンクール」の入選作品がこのほど決定した。最優秀賞には埼玉県熊谷市農業委員会(松本丈会長)の「くまがや農委だより」、優秀賞には福島県二本松市農業委員会(武藤良一会長)の「二本松市農業委員会だより いぶき」と、宮崎県串間市農業委員会(川善昭会長)の「農業委員会だより」が輝いた。39の農業委員会から応募があった。

 最優秀賞の「くまがや農委だより」はA4版の8ページ建てでフルカラー印刷。1月、4月、7月、10月の年4回発行し、管内の全農家へ配布する。発行回数の多さを生かし、年間を通した農作業や経営などに必要な情報をタイムリーに発信している。
 「読み物としても楽しめる」ことを目指した誌面は、市内で活躍する農家の特集や地域農業に尽くした偉人の紹介など盛りだくさんの内容で、読み応えは十分。農業委員が農業への思いを自由に語る「農業よもやま話」も人気コーナーの一つだ。
 事務局で編集を担当する森田志津子さんは「農業って楽しいんだ、とイメージを向上し、関心を持ってもらえるような企画を心がけている。使う写真はもちろん笑顔のもの」という。
 農地制度や農業委員会活動の周知も徹底している。農地パトロールや利用意向調査、視察研修などの記事は単なる活動報告で終わらせず、結果や経験を今後につなげていくよう呼びかけて締めくくるのがポイントだ。的確な情報提供と、地域の話題を中心とした親しみやすい連載記事のバランスのよさが高評価につながった。
 1年半ごとに各地区から1〜2人の農業委員を編集委員に選抜。松本会長も編集委員として積極的に誌面づくりに参画した。関係部署を交えた会議を発行ごとに開き、事務局の案を基に検討を進める。市の農業振興課などのほか税務関係の部署とも連携し、税申告に役立つ情報など幅広い記事を盛り込んでいる。
 今年の2月まで編集委員長を務めた堀重明さんは「担い手の確保や育成を一つのテーマに据え、地域農業をいい方向に導けるような情報発信を重視した。編集担当からはいったん外れるが、今後も読者が待ち遠しくなるような誌面づくりに協力していきたい」と熱意をにじませる。

写真上=47号までを手がけた9人の編集委員(前列左端が松本会長、前列右から2番目が堀さん)と事務局職員

写真下=表紙を飾る写真は、時期に合うものを編集委員で厳選する