スピリット 面積倍増に全力対応 石川 能美市農業委員会会長職務代理 竹本 敏晴さん

 「農業委員として担当する地区も面積もほぼ倍増しました。増えた農地について所有者や耕作者、何を作っているのか、水利や土質はどうかなど、これから覚えていきます」。そう話すのは、4月に新体制に移行した能美市農業委員会で会長職務代理を務める竹本敏晴さん(65)だ。農地の状態や歴史を知らないとさまざまな相談や調整ができないという。
 今年1月、45ヘクタールを経営する(有)たけもと農場の代表取締役を子の彰吾さん(34)に譲った。父はかつて米作り日本一に輝き天皇杯を受賞、米価審議会委員も務めた平一さん。ヤミ小作といわれた相対での貸借で規模を拡大し、その後の農用地利用増進法(現・農業経営基盤強化促進法)制定に現場の立場から貢献した。
 「私が農業委員になる時代が来るとは、隔世の感がします」と敏晴さんは当時を振り返る。

写真説明=法人代表を子に譲った敏晴さん(父・平一さんの顕彰碑の前で)