農地利用最適化へ 人・農地プランの策定支援 千葉・香取市農業委員会

 香取市では、農業者の高齢化や担い手不足が進んでおり、他市町村と同様にその対策に苦慮している。
 同市農業委員会(伊藤寛会長)では、昨年度の農業委員会等に関する法律の法令改正による大きな指標である「農地利用の最適化」を積極的に進めるため、施策の中心となる「人・農地プラン」の策定支援を市農政課や県の農業事務所との連携を図りながら、担当地区の農業委員や農地利用最適化推進委員が地域の懇談会に出向き、農業者らとの話し合いを通じ、策定に向けた支援活動を展開している。
 同市では、地域ごとの農家の声を直接聞き、地域の営農状況に即した「人・農地プラン」の策定を目指しており、この支援活動を実践することにより、農地中間管理事業や農地利用集積円滑化事業を活用した担い手への利用集積が飛躍的に進んできた。
 懇談会の中では、将来的な担い手確保や農業用機械・施設の共同利用によるコスト軽減の必要性に関する意見も直接聞くことができ、実際に任意の集落営農組織から農業法人の設立に発展した例も多くなってきた。
 2016年度末までの市内の「人・農地プラン」の作成実績は36地域、プラン設立後に6営農組織が法人化された。また、現在、多数の地域でプラン策定に向けて活動を行っている。農業者が地域農業の中で、日頃から意識していても、実行に移せないでいる発想などを協議するきっかけ作りにもなっている。
 伊藤会長は「人・農地プランは、地域農業施策の礎となるものです。地域の未来の農業について、話し合いの場を持ち、共通の問題を認識できれば、担い手の確保や農地の集積も必然的に進みます。私たち農業委員会も地域のプラン策定活動を積極的に支援させていただきます」と意欲的に語っている。

写真説明=人・農地プランの懇談会には農業委員と推進委員が参加する