人と組織をサポート 経営発展を総合的に支援 香川県農業会議
香川県農業会議(三笠輝彦会長)では、法人化・経営継承、人材確保を項目別に整理した農業経営発展支援セミナーを県と連携しながら開催している。この取り組みは昨年度から行っているもので、本年度は農業経営にとって重要になる人材確保と法人化による経営の安定や信用力の向上をポイントに実施した。
7月に県内2会場で開いたセミナー(人材確保・育成編)では、11月に施行される新たな外国人技能実習制度の仕組みを説明。就労環境の整備に取り組む県内の先進農業経営者による実践報告や社会保険労務士による労働力確保・人材育成に関する留意点も研修に盛り込んだ。講師からは景気の好調から人材確保が難しくなっている中、いかにして就労環境を整備して魅力ある職場にするか、また技能実習生へ指導できる環境や労働条件を整えるかなどの説明があり、参加者らは熱心に耳を傾けていた。
また、高松商工会議所や香川県商工連合会などの商工業者の協力を得て開いた第2回セミナー(法人化・経営継承編)には農業者60人に加え、商工業者ら10人が参加した。商工業者との意見交換会を通した多角的な視点を養い、法人化や経営発展の課題を農外企業と協議することを目的に、法人化支援策や法人化事例の説明・意見交換を研修に取り入れた。
こうした農業経営の発展に向けた取り組みと併せ、同農業会議では香川県共済組合からの業務委託を受け、収入保険制度の啓発に取り組んでいる。対象者は、認定農業者や認定新規就農者会員など。県・市町の担い手組織の定例会などの場を活用して幅広く周知しており、同制度への加入には青色申告の実施が必要なため、日頃の経営・簿記指導の中でも説明している。このように同制度の普及・推進を通じて複式簿記と青色申告を一体的に推進しており、これまでの実績は11回、約300人に及んだ。
写真説明=8月16日に開催した農業経営発展支援セミナー(法人化・経営継承編)