農地を活かし担い手を応援する 山口・美祢市農業委員会

農地パトロール・審議案件の調査に尽力 7月から新体制でスタート

 7月に新体制に移行した美祢市農業委員会(山本正二会長)は、農業委員と農地利用最適化推進委員が共に現地に出向いて農地の利用状況を調査するなど、総力を挙げて農地利用の最適化に取り組んでいる。

 山口県のほぼ中心に位置する美祢市は、四方を山に囲まれ中国山地が横たわるため冬季は凍結や積雪などがある。日本最大のカルスト台地「秋吉台」や「秋芳洞」をはじめとするしょう乳洞など観光地も多く、市内全域が「日本ジオパーク」に認定されている。また、農産物は「秋芳梨」「美東ごぼう」「厚保くり」などが有名。
 7月20日に農業委員19人、同月27日に推進委員25人で新体制をスタートさせた同農業委員会では、農業委員・農地利用最適化推進委員の役割を完全に分けることはしておらず、先月18日からスタートした農地パトロールも両委員と事務局職員が班を組んで現地を回っている。山本会長は「両委員が連携してパトロールすることで農地判定の基準もある程度統一することができる」と話す。同農業委員会では過去に非農地証明交付基準を独自で定め、非農地判断も統一的な基準が設けられている。
 また、これまでも農地パトロールのほか、総会での審議事項における現地調査の実施に力を入れてきたが、推進委員も新たに加わり、連携をとりながら調査を進めるようになった。
 農地の権利移動や転用などの許可申請、届け出のあった案件について、会長、農業委員・推進委員、事務局職員も現地を見て歩き、主に計画図面と現地を見比べ、転用・被害防除計画の妥当性などについて申請人と協議する。
 全案件の現地を見ることで、調査時点で計画などに不備がある場合には、解消後に再度申請を受け付けるなどし、不許可相当の案件は総会に上げないなど、円滑な運営が図られている。また、現地をきちんと見ることで、総会での議論が活発になっている。
 山本会長は「今後、総会での詳細な説明が必要な案件がある場合は、担当地域の推進委員にも出席を求め、説明してもらうことも考えている。両委員・事務局が一丸となって、市内・県内の農業を良くするという思いで、今後も各自の役割を果たしていきたい」と話す。

写真説明=農地パトロールは農業委員と推進委員、事務局職員が班を組んで実施する