農地を活かし担い手を応援する 情報発信で農業者とつながる 宮城・涌谷町農業委員会

 宮城県のほぼ中央に位置する涌谷町農業委員会(畑岡茂会長、67)では、7月の改選で、新体制に移行したのを機会に、従来以上に情報活動に力を注いでいる。

 涌谷町は、宮城県北の大崎平野の東に位置し、経営耕地面積の9割を水田が占め、水稲以外には畜産、大豆、小ネギなどの野菜の出荷も盛んな農村地帯である。
 農業委員は7月の改選前までは15人(男性12人、女性3人)で、毎月の総会のほかに、(1)生産部会(2)生活環境部会(3)広報編集委員会――の二つの部会と一つの委員会を設置して活動してきた。
 今回の改選で、同町は農業委員11人(男性9人、女性2人)と農地利用最適化推進委員12人の合計23人になった。この新体制移行に併せて、農業委員会の部会なども、広報部会、調査研究部会の二つに集約することにした。
 広報部会(高橋均部会長)は、従来の広報編集委員会に変わるもので、年2回発行している「農業委員会だより」の編集・発行や、新聞・図書の普及推進と農地の賃貸借情報、農作業標準賃金表の情報提供・公表の活動をしている。
 高橋部会長は「農業委員会だよりは、町内全世帯に配布しており、農業者には農業委員活動と農業関係情報の提供、非農家の方には食料生産以外に農業が持つ多面的機能の理解者になっていただくような紙面作りを心がけている」と話す。
 改選前の全国農業新聞の普及は、農業委員数の5倍の目標を達成しているが、今回、推進委員を設置して改選前と比べ8人増えたので、本年度中にこの5倍の目標を達成すべく計画している。
 10月には、認定農業者を対象として、担当委員からの購読推薦状を発送して、全国農業新聞ならではの強みを紹介することを計画している。
 さらに、毎年11月の「JA祭り」と2月「わくや発 食の町民まつり」などの行事に農業委員会のブースを設けて、農業委員会活動や情報活動をPRしている。
 畑岡会長は「農業委員会だより、全国農業新聞は、地域の担い手である認定農業者らと農業委員会をつなぐ大事なコミニュケーション紙と考えている。今後も農業委員会が持っている情報を積極的に発信しながら地域の農業者から、気楽に日常相談を受けられる農業委員会を目指したい」と、熱く語る。

写真上=農業委員会の皆さん(左から瀬川晃事務局長、畑岡会長、高橋広報部会長、担当の上野し乃さん)

写真中=広報紙「農業委員会だより」

写真下2枚=「JA祭り」(上)、「わくや発 食の町民まつり」(下)の農業委員会ブースで活動をPR