農委活動の道しるべ(68) 農地利用集積の推進 (iv)話し合いをどう始めるか 秋田県立大学生物資源科学部准教授 中村 勝則

 農地集積を実現するためには、地域内の農地所有者と耕作者とが話し合うことが重要である。だが話し合いのテーブルについてもらうこと自体、簡単なことではない。ポイントは「危機感の共有」であろう。
 その点で有効と考えられるのが、地域農業の将来をシミュレーションすることである。といってもそれほど難しいことではない。地域内の世帯員の氏名と年齢を書き出して、年齢に10を足すのである。人間は平等に年を取る。10年後の姿がリアルに浮かんでくるであろう。ぼんやり感じていることが具体的なデータで示されると説得力がある。