農地を活かし担い手を応援する 農年の加入推進に尽力 千葉・東金市農業委員会

継続的な戸別訪問で成果

 農業者年金の加入推進に力を入れている千葉県の東金市農業委員会(広瀬広一会長)。計画的かつ継続的に地道な戸別訪問を実施したことが大きな要因となり、2016年度は新規加入目標人数を大きく上回った。こうした実績を踏まえ、本年度の千葉県加入推進部長等研修会で事例発表している。

 同農業委員会は、2017年7月20日に新体制(農業委員15人・農地利用最適化推進委員18人の計33人)に移行した。2016年度の農業者年金の加入目標3件に対し、目標の2倍の6件の加入実績を達成。本年度も加入目標3件に対し、7月末時点で2件の加入実績がある。この実績の大きな要因は「継続的な戸別訪問」にある。
 具体的な加入推進の方法としては、お米の収穫が終わった時期に戸別訪問に行くことを考慮し、例年10月に関係JA7支店の担当者と加入推進部長・事務局長・農業者年金担当職員で加入推進対策会議を開催し、11月上旬までに戸別訪問対象者を選出する。そして、11月から12月に農業委員・農業委員会職員(事務局長と担当)・JA職員の班体制で戸別訪問に出向く。戸別訪問前には、農業委員が対象者に「今度訪問するからよろしくね」と一声掛けることにより、より親近感を持って農業者年金の話を聞いてもらえるようにしている。
 白鳥幹男事務局長は「戸別訪問は毎年秋の恒例行事のようになってきている。特別なことをしているつもりはないが、継続して戸別訪問を実施したことにより農業者年金への理解が深まり、加入実績につながったと考える。新体制に移行しても継続して戸別訪問を実施していき、地域の農業者への理解を深めたい」と語る。
 農業者年金担当歴6年目の鈴木浩美主査は「実際に戸別訪問していると、1回目の訪問で入る方はほとんどいない。特に旧制度への不信感が加入対象者の親世代に強くあり、不満を聞くことの方が多かった。しかし、何回も訪問することにより、顔見知りとなり、新制度の話も聞いてくれるようになる。そうすると、次の訪問で何人かには説明する前に『加入します』と言われることもあった。戸別訪問は継続することが重要だ」と語る。
 最後に、広瀬会長は「農業委員会が旧体制の時から頑張っていることを引き継げたのは大きい。地域の農業者の老後のため、後継者の育成のため、新体制になって1年目の年ではあるが、農業委員・最適化推進委員・事務局が一丸となって農業者年金の制度の普及に取り組んでいきたい」と意気込みを語った。

写真上=農業委員と事務局の皆さん(広瀬会長は前列右から2人目)

写真下=地元農業委員の鈴木正久さん(中央)。夫婦で農業者年金加入中の秋葉英樹さん(左)と昨年20歳で加入した息子の駿也さん(右)