農委活動の道しるべ(70) 農地利用集積の推進 (vi)個別的規模拡大で生じた農地分散の解消 秋田県立大学生物資源科学部准教授 中村 勝則

 昭和一ケタ世代の農業リタイアの進展などにより、農地を頼まれて規模拡大してきたという担い手農家は少なくないと思われる。
 その結果、問題となるのが経営耕地の分散である。担い手への農地集積が進んでも、団地化されていない状態ではせっかくの規模拡大の効果が十分に発揮されない。むしろ、作業効率が低下したり、管理が不十分で、単収や品質の低下を招いたりする。中には筆数が多すぎて、危うく他人の圃場で作業しそうになったという笑えない話も聞く。
 このように担い手個々による規模拡大に限界感が生じてきているような地域で検討すべきと思われるのが、経営耕地の交換による団地化である。