農地を活かし担い手を応援する 新体制へ移行して1年半 大分・由布市農業委員会

「推進委員」について関係機関と意見交換

 大分県の由布市農業委員会(縣次男会長)は、2016年4月1日より新体制へ移行し、1年半が経過している。農地利用最適化推進委員は担当地区内で農地利用最適化に向けて活動しているが、「農地利用最適化推進委員」という名称や役割の浸透について課題があることから、県関係機関と意見交換会を実施した。

 由布市は、大分県のほぼ中央に位置し、市の北部から南西部にかけて千メートル級の山々が連なり、中央部から東部にかけては山麓地帯と大分川からの河岸段丘が広がっている。農業については、中山間地域が多いため、規模の小さな農地が多く、高齢化や担い手不足などにより農業者数は年々減少、荒廃農地も増えている。
 由布市農業委員会(農業委員11人、推進委員22人)では新体制へ移行後、任期の半分が経過することから、9月1日に「農地利用最適化推進活動を通じた課題と対策」と題し、推進委員と県関係機関との意見交換会を行い、推進委員として就任以降どのような活動を行ってきたか、今後、どのような活動を展開していくか、などについて協議した。
 意見交換は2班に分かれ、それぞれ同じテーマで協議。推進委員からは「地域に担い手がいない」「農地所有者は借りる人の顔が見えないと貸しづらい」「地域で農地利用最適化推進委員という名前が知られていない」などの意見のほか、「去年は何をして良いか分からなかったが、今年は農地パトロールの際に農地所有者に声かけをするようにしている」「地域の町づくり協議会で窓口を設置して相談対応できるようにした」などの意見も出された。
 こうした意見もあり、同委員会では推進委員の知名度アップにつながるよう、自治会などで回覧できる推進委員紹介用のチラシを作成。今後、チラシを配布し、推進委員が地域で活動しやすい環境を整えていくことにしている。
 また、推進委員・農業委員による農業者への戸別訪問も計画しており、特に必要となる農地の出し手情報を中心に、意見交換で出された課題を受け止め、少しでも良い形で集積できるよう農地の利用状況から今後の利用予定まで聞き取りを行っていく予定だ。
 併せて農地の利用集積・集約モデル地域の策定なども行い、農地利用の最適化に向け、同委員会と農地中間管理機構をはじめとする関係機関とさらなる連携強化を図っていくことにしている。

写真上=県関係機関と意見交換する推進委員

写真下=推進委員活動・推進委員紹介チラシ