農委活動の道しるべ(75) 果樹農業の農地流動化(1) 三重大学大学院生物資源学研究科教授 徳田 博美

 農地を流動化し、担い手へ集積することは、わが国の農業における最重要課題の一つである。その中にあって、果樹園の流動化はそれほど注目されず、その進展も緩慢であった。
 しかし最近、果樹農業の担い手問題が深刻化する中で、果樹園においても流動化の必要性が意識されるようになってきた。ただ果樹農業における農地流動化は、他の農業部門にはない難しさがあり、その促進には特別の工夫が必要である。本稿では、果樹農業で農地流動化を促進する上での課題と展望を7回に分けて述べていきたい。