農委活動の道しるべ(77) 果樹農業の農地流動化(3) 三重大学大学院生物資源学研究科教授 徳田 博美
園地条件の格差が大きく、劣悪な条件の園地が少なくないことも果樹園流動化を難しくしている一因である。
わが国の果樹園の多くは傾斜地に立地しており、その中には傾斜がかなり急なものもある。さらに個々の農家が自力で開墾し、その後に園地基盤整備を行っていないものもあり、小規模・不整形で農道に接していないものもある。
傾斜の向きや土壌条件は生産性や果実品質に影響する。そのため、流動化に当たっては、園地条件の適切な評価が不可欠であり、条件の劣悪な園地は流動化の対象から除外することも必要となってくる。また園地条件を改善するための基盤整備も流動化を促進する上では欠かせない課題だろう。