農地を活かし担い手を応援する 夢と希望が持てる環境を 山形・川西町農業委員会
農地利用最適化で成果
川西町は山形県南部に位置する人口約1万5千人の町。基幹作物である水稲の他、畜産、野菜・果樹栽培なども盛んに行われている。また、日本を代表する銘柄牛肉「米沢牛」発祥の地としても知られる。同町農業委員会(大沼藤一会長)は2017年3月に新体制へ移行し、農地利用の最適化で成果を上げている。
同町農業委員会は、農業委員10人(うち女性2人)、農地利用最適化推進委員16人で活動している。同町の主要作目は稲作であり、担い手への農地集積率は約60%、遊休農地率は0.03%という現状だ。
活動の強みは、農業委員・推進委員・事務局が一体となって取り組んでいること。同町は人・農地プランを全町を網羅する16地区で策定しており、担い手への農地集積・集約化の方針がしっかりと定められている。農地を貸したい・売りたいという相談があった際、事務局は推進委員にすぐ報告し、推進委員は率先して活動に当たっている。農業委員も推進委員と連携し、積極的に活動に関与している。プランがあることにより、農地中間管理機構の活用も考えやすくなる。
このような連携により、プランを把握している委員が迅速に対応でき、農業委員会が地域から頼りにされるなど、新体制移行によるプラスの効果が表れてくる。
毎月の総会終了後には、事務局が作成したマニュアルを使用し、農業委員・推進委員に向けた研修会を開いている。地域の農地活用状況や農業委員会活動・制度を確認することにより、課題改善や優良事例の横展開が図られ、PDCAサイクルが展開されることで活動が月ごとに強化されている。
また、新たな担い手として、町外出身の地域おこし協力隊員が町内の農業法人へ就職する運びとなっている。町の関連機関との連携・支援体制が整っていることが、これからの農業を担う農業者の誕生にも結びついている。
大沼会長は「本町では現在、水田の基盤整備が進められている。将来の地域を担う若手農業者が、夢と希望を持って農業に取り組める環境づくりこそが重要。農地集積・団地化により、農地利用の最適化につながっていく」と話す。
写真上=農業委員・推進委員の研修会は毎月開く
写真下=農地パトロールで農地の利用状況を把握