農地利用最適化へ 重点地区で活動強化 長野・小諸市農業委員会

 小諸市農業委員会(荻原勝己会長)は昨年の7月20日に新体制に移行し、18人の農業委員と8人の農地利用最適化推進委員が任命・委嘱された。
 新体制に移行後、初めての農地パトロールは9月に約3万筆を対象に実施した。遊休農地の判定は統一した目線で判断することが求められるが、昨年は、農業委員・推進委員が遊休農地の実態やその判断に慣れていないことから、農地台帳を図面化した耕作地図を使い、担当地区の農地利用実態を調査した。また、遊休農地判定の経験を積んだ農業委員会の農地調査員(2人)も同行。一緒に遊休化した農地を判定し、図面に記録するなど、統一した遊休農地の判断を体験習得した。
 活用されない遊休農地は注意喚起しており、引き続き放置される場合は勧告する方向で手続きを進めている。
 農地中間管理機構を活用した担い手への農地集積については、現在、農業経営基盤強化促進法などにより貸借中で2〜3月に終期を迎える農地について、農地中間管理事業による貸借への切り替えを予定している。
 また、「大里地区」は、耕作条件の悪い地区のため、農地を借りられる状態に整備することが以前から農業委員にとっての懸案事項として引き継いできた地区だ。そこで、同地区で何とか成果を上げることが、市全体の活性化に向け、一点突破となる事を期待して、農地耕作条件改善事業(2016〜2017年度)を活用。農道拡幅や圃場区画拡大に取り組んでいる。同事業は、本年度完了する予定で、現在市と一緒に同地区で進めている「人・農地プラン」の見直しと併せ、担い手への集積に向けた活動に力を入れている。
 市内の農地は傾斜地も多く、農地利用最適化の推進は容易ではないが、こうした取り組みをきっかけにして、新体制になった農業委員会の活動が活性化している。
 農業委員と推進委員の活動が、遊休農地の活用や農地の利用集積につながり、担い手など農業者の営農意欲が高まることが期待される。

写真説明=遊休農地所有者などの耕作状況を書き入れた図面は121枚に及んだ(写真は農業委員会事務局の塩川絵里さん)