農地を活かし 担い手を応援する 総合的に農地利用の最適化 神奈川・相模原市農業委員会
神奈川県の相模原市農業委員会(橋三行会長)では、農業委員と農地利用最適化推進委員が定期的に連絡会を開いて情報を共有しながら、連携して遊休農地対策や新規就農者支援、鳥獣被害対策などに取り組み、農地利用の最適化につなげている。
神奈川県の北西部に位置し、72万人の市民と778ヘクタールの農用地を抱える相模原市は、東部では市街化が進む一方、西部には自然豊かな山々が広がっている。
都市部と中山間地域、それぞれの地域特性を生かした農地利用最適化の進め方が求められる中、同市農業委員会では、各地区で活動する推進委員と農業委員の情報共有を図り、課題の解決につなげるため、農業現場を取り巻く課題や改善策について話し合う連絡会を定期的に開いている。
昨年8月に行われた第8回農地利用最適化推進委員連絡会では、市内4地区の推進委員が遊休農地の発生状況や有害鳥獣被害の現状を報告するとともに、改善策を発表した。連絡会の場では他地区の推進委員から多くの質問や改善策の提案などがあり、活発な意見交換が行われた。
また、同市農業委員会では新規就農者の支援と新規参入の促進における課題を確認するため、新規就農者との意見交換も行っている。昨年10月には津久井地区に新規就農し活躍する3人の青年農業者の圃場を視察し、意見交換した。
中山間地域である同地区では農家の高齢化や後継者不足によって多数の遊休農地が発生していたが、市が復元作業を支援し、地域の担い手や新規就農者への貸し付けにつなげたことから、多数の新規就農者が参入している。
意見交換では優良農地の確保や経営拡大について青年農業者から意見が上がるとともに、新規就農者の支援と参入促進に向け「新規参入者のための情報の集約」「受け入れ体制の整備」といった課題が見つかった。また、意見交換の場では鳥獣被害についても話題が上がった。
市では近年、新規参入者が増える一方、有害鳥獣による被害が深刻な問題となっている。特に中山間地域ではニホンザルをはじめとする有害鳥獣による農業被害が深刻な問題となっており、遊休農地対策や担い手支援など多分野にわたる課題となっている。
同市農業委員会では今後も農業委員と推進委員で課題を共有し連携しながら、農地の有効活用や新規就農者の支援、有害鳥獣被害対策に取り組んでいく。
写真上=推進委員が遊休農地の発生状況などを発表した農地利用最適化推進委員連絡会
写真下=新規就農した柴山智博さん(左)との意見交換