農地利用最適化へ 女性農業委員研修会を開催 北海道・十勝農業委員会連合会

 女性の経営参画や活躍が勧められる中、女性農業委員の活動については、渡島、釧路・根室、上川地区で、それぞれ独自で女性委員による研修会や現地視察が行われている。さらに渡島と釧路・根室地区では、女性委員の組織化が行われている。
 十勝農業委員会連合会(中谷敏明会長)は、新体制への移行により女性委員が増えたことから、このほど、十勝地区では初めて女性委員を対象にした研修会を開いた。同地区の8市町村から11人の女性委員が参加し、意見交換も行われた。
 意見交換では、女性の経営参画と、委員それぞれの活動状況や地域が抱える課題などについて話し合われた。
 女性の経営参画を促す手段の一つとして、幕別町農業委員会は、JAなどと連携して家族経営協定の締結を進めている。同協定は、経営方針や作業分担などを明文化し共有することで、経営に対する家族の責任感を養い経営の向上を目的としている。同町農業委員会の森勤子委員(8期)は、農業委員会とJAなどで構成する「家族経営協定委員会」会長を務めている。森委員は「協定締結は女性の経営参画を明確にし、経営に対する男女の意識改革にもつながる」と期待している。
 地域が抱える課題としては、農業の担い手不足は深刻な問題だ。
 豊頃町農業委員会は、子供の頃から農業の大切さを感じてもらおうと、食育活動に力を入れている。例えば、同町の学校給食に地元農畜産物を使ったメニューを取り入れる活動や学校行事への協力などだ。
 同町農業委員会の宝田幸子委員(2期)は、学校の宿泊学習行事で食事づくりに参加している。宝田委員は「食育を通して子供たちに身近にある農業の魅力を感じてほしい」と話す。
 同研修会は盛況のまま幕を閉じ、参加者全員からは「今後も継続して開催してほしい」という声が上がった。十勝農業委員会連合会では、将来の組織化も視野に入れた活動を検討している。

写真説明=中谷会長(前列右から3人目)と参加した女性委員