農委活動の道しるべ(89) 農地・米政策と農地集積(8) 宇都宮大学農学部教授 秋山 満

 前回、土地利用型担い手の健康診断を図る担い手カルテの作成・蓄積の必要性を指摘したが、農地利用最適化推進委員の役割は、担い手の活動の場のマネジメントでもある。地域の健康診断である地域カルテを作成する必要がある。
 集落に代表されるムラは、地縁的な結合体として個別経営を支える生産補完・生活補完・資源管理補完の役割を果たしてきたが、農家の異質化と混住化が進行する中で、その機能が弱体化している。定住化を目標とした相互補完関係の再構築が求められる。