農委活動の道しるべ(91) 農地・米政策と農地集積(10) 宇都宮大学農学部教授 秋山 満

 農業委員会は、農地の番人として農地の権利関係の調整を中心に活動してきた。近年進んでいる農地台帳整備は、こうした権利調整の基本的情報管理の蓄積基盤となる。しかし、担い手の減少、不在地主や相続未登記農地の拡大、米価下落や生産調整拡大の下で、単なる権利関係の調整のみでは地域農業を維持できない事態が広がりつつある。
 農地と経営と人材に着目した目に見える形での情報活用体制の構築と、地域を一つの経営と見立てた地域農業マネージャー機能の強化が求められている。