最適化の推進に向け 積極的に現場で動く 島根・出雲市農業委員会

 出雲市は、出雲大社・須佐神社など有名な観光スポットがある一方、斐伊川、神戸川の流域沿いには農地が広がり、下流域は県内最大の平野で穀倉地帯となっており、県内トップの農業生産を誇っている。出雲市農業委員会(秦久光会長)は、市町村合併時は出雲市農業委員会と出雲市斐川町農業委員会の2委員会だったが、昨年9月の出雲市農業委員会の新体制への移行で一つの委員会となった。農業委員24人、農地利用最適化推進委員77人、合計101人と県内最大の農業委員・推進委員の人数となり、担い手育成と農地の利用集積・活用に向け、動き出した。

 同委員会では、委員が100人を超えるため、どのような体制で取り組むべきか他市情報も取り入れながら検討してきた。その結果、市内を6ブロックに分け、ブロックごとに地区を担当する農業委員を3人から6人、推進委員を10人から15人設置した。また、各ブロックには運営委員が1人置かれ、事務局と連絡調整の役割を担い、運営委員はブロックの状況、課題などを集約し、総会前に集まってブロックの状況を報告し、事務局と連携する体制とした。

 移行後、利用意向調査の実施の前に農業委員と推進委員が調査対象となる全ての遊休農地の所有者宅に顔合わせとして訪問し、遊休農地の解消を呼びかけた。そして、利用意向調査についても所有者宅を訪問して調査した。この地道な取り組みにより、所有者の農業委員会の活動や遊休農地の解消への理解、利用意向調査をスムーズに行う事ができた。また、この取り組みは、農地所有者だけでなく、両委員の農地に対する意識が変わったという。さらに、他ブロックと連携し利用意向調査を行うなど活動が広がってきている。
 同委員会の今岡豊次長は「普段から農業委員と推進委員は一体であると話している。今後も関係機関と連携を取りながら、農業委員会活動を行っていきたい」と語った。

写真上=農業委員と推進委員の研修会

写真下=両委員による農地の現地確認