移動農委会など各種活動に工夫 農地集積・集約化など着実に実績 青森・十和田市農業委員会
十和田市農業委員会(力石堅太郎会長)は、認定農業者など担い手に対する農地の利用集積のほか、遊休農地の発生防止・解消対策に積極的に取り組んでいる。リスト化した農地情報の提供や相談対応などを通じて、新規就農者の支援にも力を入れている。
農地中間管理機構を活用した認定農業者や集落営農組織などの担い手への農地利用集積を進めるとともに、「人・農地プラン」に位置付けられた「中心となる農業者」に農業委員が積極的に農地を集積した。
取り組みを進めるに当たり、市部局が7〜8月にかけて6回開いた「農地中間管理事業を活用した担い手への農地集積制度」の説明会に農地情報を提供。これにより192筆、62.2ヘクタールの農地が掘り起こされ、貸借に結びついた。
また、農閑期に市内4地区で「移動農業委員会」を開くなど、農地利用の最適化に向けて機構の活用を働きかけた。
その結果、2016年度は耕地面積1万2400ヘクタールのうち新たに600ヘクタール集積され、集積面積は8007ヘクタール、集積率は64.4%まで拡大した。
遊休農地の発生防止・解消に向け、毎年9月から10月頃に農地パトロール(利用状況調査)を実施している。
市内を4地区に分け、農業委員を7班に編成し、前年度の調査結果を踏まえ、本年度の状況を確認しながら調査している。「再生可能」と判断した農地所有者に対しては、利用意向調査を行い、解消意欲のある農業者には積極的に情報を提供するなど、遊休農地の解消に努めた。こうした活動により、2016年度は3.9ヘクタールの遊休農地が解消された。
2016年度は、8人が合計6.3ヘクタールの農地を取得し、同市で新規就農した。このうち、3人が農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)を受給している。
また、貸借・売買を希望する農地情報をリスト化し、農地を求めている新規就農者に対して随時、情報提供するなど、相談対応した。
今後とも同市農業委員会では担い手へ農地利用の集積、遊休農地の解消、新規就農者確保を取り組んでいく。
写真上=力石堅太郎会長
写真中=総会も情報交換の場となっている
写真下=地図を確認しながら調査する