功績大きく旭日単光章 農委会・農業会議通じて地域貢献 徳島・阿南市農業委員会会長 萩野 敏則さん

阿南市農業委員会会長の萩野敏則さん(71)は、地域での貢献が認められ、春の叙勲「旭日単光章」を受章した。萩野さんは、同市農業委員会の代表として1995年6月から1996年6月までの1期1年間、および2014年8月までの8年間は徳島県農業会議常任会議員として、2014年8月から現在までの4年間は県農業会議副会長として、運営ならびに事業推進に尽力してきた。
農業経営は1965年から水稲を40アール営み、現在は2.7ヘクタールまで規模を拡大し、認定農業者として経営改善に取り組んでいる。
その一方で稲作農家の経営安定のため、経営所得安定対策など有利な補助金が得られる飼料用米に着目。水稲の規模を拡大している担い手を中心に積極的に導入を働きかけた。その結果、2010年度に87ヘクタールだった飼料用米の作付面積は2015年度に260ヘクタールまで増加。県内一の産地を形成するに至った。
また、1999年から那賀川南岸土地改良区の理事を務め、雑排水の混入による水質悪化問題を県、市、JAなど関係機関と協議。地域住民に説明、説得し、関係者の同意を取り付けるなど、水質改善事業のあっせん、改善に取り組んだ。
農業委員会活動の関係では、地域の「未来の設計図」となる「人・農地プラン」の作成・見直しに積極的に取り組み、2014年度からは、農地中間管理機構を通じた農地集積を強力に進めてきた。地元説明会の開催はもとより、熱心な戸別訪問により、阿南市が県内の転貸実績の約5割を占めるなど、顕著な功績を上げている。
また、農業後継者対策についても、お見合いをあっせんする「しあわせネット・ANAN」の活動を通じて、2015年には4組のカップルが成立した。後継者対策活動を通じ、女性ならではの視点を活かした農業委員会活動が活力ある農村社会の実現につながると、女性農業委員の登用にも尽力し、2018年に5人の女性農業委員と、1人の女性農地利用最適化推進委員が誕生した。
萩野さんは、「今後もたくさんの人を巻き込みながら、現状維持ではなく、常に新しいことに挑戦し、情熱と夢を持って、全力で地域農業に貢献したい」と熱意を語った。今後ますますの活躍が期待される。
写真説明=旭日単光章を受章した萩野さん(左)と妻の百合子さん