定例総会前に懇談会 関係機関と意見交換 鳥取・北栄町農業委員会

北栄町農業委員会(坂良男会長)は、9月から毎月開く定例総会の開会前に農業改良普及所、農協、町産業振興課との情報交換を始めた。会の名称は「農委懇談会」とし、各機関が持っている農業に関する情報をおのおの提供し、意見交換することにした。
北栄町の農業は北部の日本海に面する砂丘地でのラッキョウ、長芋、ブドウ、南部の丘陵地に広がる黒ぼく畑にはスイカ、花卉、施設野菜、水田地帯での水稲、南部での酪農・肥育牛の畜産経営など、地域の自然条件を生かした多様な生産が営まれており、同町の基幹産業として重要な位置を占めている。
同町農業委員会の新たな取り組みは、隣町の琴浦町農業委員会(福田昌治会長)が同様の意見交換を以前から行っていたことがきっかけとなった。
坂会長が「農地利用の最適化を目指すところは、地域の話し合いを進め地域を守ること。その手段として農業委員会がどれだけ情報をもって臨めるか、切り口をどうするかにかかっている。そのために委員が情報を共有することが重要」と提案し実現した。
9月の農委懇談会には東伯農業改良普及所が参加。小西耕一所長から、同普及所の職員体制や同普及所が取り組む「スイカの販売力向上」「梨・ブドウの産地復興」などの話を聞いた。農業委員らにとっても自らの課題であるため、多くの意見が飛び出し、話が盛り上がったという。
農業委員・農地利用最適化推進委員が農地利用の最適化を推進する最も有効な手段は農地中間管理事業を活用し、担い手に農地を集積・集約することである。同普及所は新規就農者の育成、認定農業者への支援など地域の担い手育成に取り組んでおり、関係機関がお互いにネットワークを結ぶことで担い手への農地の集積が進むことが考えられる。
農業委員会では原則、農委懇談会に農業委員・推進委員26人全員が出席している。委員と農業改良普及所や農協とのつながりが深まる上、農地利用の最適化に必要なさまざまな情報を得ることができるなどプラスの効果が大きく、今後の活動が期待される。
写真上=11月の農委懇談会には東伯農業改良普及所、農協、町産業振興課が参加した
写真下=関係機関との情報交換を提案し農委懇談会を実現した坂会長