推進委が遊休農地解消 健康講座など女性農委の活躍も 石川・津幡町農業委員会
津幡町農業委員会(井上信一会長)では、農地利用最適化推進委員の1人が精力的に遊休農地の所有者を訪問、担当地区の遊休農地をほぼ解消した。また、2人の女性農業委員が「元気な農業は健康から」と健康づくり講座を開くなど、活発に活動している。
農業委員を1期務めた後、一昨年の7月、松本正さん(68)は農地利用最適化推進委員に委嘱された。そこで遊休農地を解消しようと、自分が耕作する水稲97アールの田のうち、隣接田7アールが長年、遊休農地化されていたので、金沢市に住む所有者の自宅を探して訪問した。
所有者は農地を他人に貸すともう戻ってこないと思っていた。そこで現在の制度を説明、所有者が結婚前まで地元で育ち、松本さんのことを覚えていたことも幸いして了解を得、担い手農業者へ利用集積した。
松本さんが住む南中条地区の遊休農地はこれでほぼ解消されたことから、次に北中条地区をパトロール。水が流れてこないことを理由に地主に戻された水田24アール、5人の所有者の自宅を順に訪ねた。5筆の農地を2筆に集約する了解も得て別な担い手へ集積した。水路も松本さんが自分で点検・掃除した。
こうして北中条地区でも次々と遊休農地を解消した松本さん、最後に残った小区画の田1筆も所有者宅を今後訪問、隣接する田を耕作する担い手へ貸さないかと交渉する予定だ。ここが解消されれば2地区における優良農地での遊休農地はほぼなくなる。
「地主さんを訪ねると、ようこそ来てくれたと皆さん、とても喜んでくれます」「あの喜ぶ顔を見ると、また頑張ろうという気になります」と松本さんは話す。
農業委員の酒井美代子さん(69)と吉本市港さん(57)が企画し、農業委員会主催による第1回健康づくり講座を昨年12月5日、同町文化会館シグナスで開き、約60人の農業者たちが参加した。講師は河北中央病院の寺修一院長などが務め、要介護予備軍や骨粗しょう症の予防を学んだ。農業者が健康にもっと関心を持ち、元気にいきいきと農業ができるよう、今後も講習会を開催していく予定だ。
写真上=遊休農地の解消に努める松本さん(後方は遊休農地を復田した24アールの田)
写真中=健康づくり講座を企画した酒井さん(右)と吉本さん
写真下=健康体操に取り組む参加者たち