中間管理事業の活用へ連携 県農業会議・法人協会・機構が一丸 和歌山県農業会議
和歌山県農業会議(下林茂文会長)は、農地利用の最適化の実現に向けて、和歌山県農地中間管理機構、和歌山県農業法人協会(土井晃会長)と一丸となり、農地中間管理事業を強力に推進している。農地中間管理事業がスタートした2014年の活用面積は22ヘクタールで、それ以降の年度は55ヘクタール、102ヘクタール、123ヘクタールと右肩上がりに増加。本年度は12月末時点の活用面積が123ヘクタールを超え、4年連続で前年度実績を上回ることが確実な情勢となった。
県農業会議は、県農業法人協会の事務局を担い、中間管理事業の活用拡大に向け取り組んでいる。
機構と同法人協会の間で「中間管理事業の推進に関する連携協定書」を締結したのをきっかけに、年々事業を活用する法人が増加。昨年12月末までに協会員外を含め31法人が機構を利用し、約75ヘクタールの貸借につながった。
また、1月16日に県農業会議が機構と共催で開催した農委会長・事務局長(農地中間管理機構推進協力員)合同会議では、法人協会会長である(有)夢クラブ泉源の土井代表取締役が、担い手の立場で講演。「中間管理事業を活用すれば、機構が契約や賃料の支払い事務をまとめて行ってくれるなど、農業者にとって多くのメリットがある。さらなる活用に向けて、これまで以上に現場での積極的な推進に取り組んでほしい」と力強く語った。
県農業会議は、県・機構との間で「中間管理事業による農用地の流動化の促進に関する協定書」を締結。これを推進するため、機構との意見交換の場を設けるなど、地域の実情に応じた農地利用の最適化の実現に向け、農業委員会を支援している。
和歌山県の耕地面積に占める樹園地の割合は全国一の6割以上であり、その大半は急傾斜地であることから、圃場整備率は極めて低い。大規模な農地の流動化は困難な状況の中で「遊休化する前に農地をどう担い手につなぐか」が最大のテーマだ。
昨年8月から県内6地域で開いた農業委員・農地利用最適化推進委員等研修会では、各地域ごとに、顕著に活動している農業委員会が事例を発表。「農地パトロールにどう取り組むか」「農業者の意向把握アンケートの実施」などについて、優れた現場活動の横展開を図っている。
写真上=農地中間管理事業の有用性について語る土井晃法人協会会長
写真下=農委会長・事務局長合同会議では、最適化に向けた意見交換を行った