明日につなぐ(37) 山口県山陽小野田市農業委員会会長職務代理者 松村孝子さん

 山口県山陽小野田市農業委員会の農業委員を務める松村孝子さん。現在、2期目で会長職務代理者も務める。地区から推薦を受けたのをきっかけに、2014年に初めて農業委員に就任した。
 出身は奈良県。地元の短大を卒業後、大阪府の銀行へ就職した。その後、結婚を機に夫の実家のある同市に移住し、1994年に夫とともに就農。現在は(有)グリーンハウスの取締役として、正社員・パートなど約50人の従業員を雇用し、市の名産品にも認定されたネギを中心に生産する。
 同委員会では、松村さんの他に1人、女性の農業委員がいる。松村さんより早くから農業委員を務める頼れる先輩だ。「当初、委員の仕事や役割について教わり、県の女性組織の集まりにも一緒に行ってもらった」と感謝を口にする。
 自身の農業委員の活動については「地域の取りまとめ役を担うには力不足」としながらも「新規就農者の支援では、法人の経営が少しは役に立っているかも」と話す。グリーンハウスでは、2012年から社員の定期採用を継続するなど、若手農業者の採用・育成に力を入れている。
 また、今年9月に同委員会では新規就農の促進などを求める意見書を市長に提出した。高齢化の影響で地域の農家が減る中、農地パトロールでは、年々、地域の農地が荒れていくことを実感すると言う。「将来、地域を担う若手の農業者が育ってほしい」と思いを巡らす毎日だ。