農委魂 将来に優良農地つなぐ 福岡・みやま市農業委員会会長 徳永 順子さん

 徳永順子さんは市環境審議会委員に就任した2013年4月、同市の循環型社会構築に向けた「菜の花プロジェクト」を知る。生ゴミなどから作った液肥で菜の花を育て、菜種油の商品化や各種イベントを実施するもの。これを遊休農地対策に活用しようと考えた。
 知人に頼み、自宅近くの遊休農地の雑草の撤去と雑木の抜根をバックホーなどで整備し、菜の花を栽培。その後、遊休農地の再生地のほか減反の裏作に菜種を作付けた。地域住民とともに栽培した菜種で菜の花オイルを搾油して販売。2015年は市内での栽培面積は約3.6ヘクタールに達した。
 「優良農地も、荒廃が過ぎれば農地には戻せなくなる。菜の花畑としてでも維持・管理して将来につなげたい」と徳永さん。きちんと手が入った景観を保つことで「農地をほったらかしてはいけない」という認識が根付くことを期待する。
 「環境都市みやま・ブランド商品化」「遊休農地の解消」の取り組みを市全域に広げるのが今後の目標だ。