農委魂 農家と農地のために尽力 熊本・あさぎり町農業委員会会長 鶴田 和典さん

 1987年の初就任から鶴田和典さんの農業委員歴は30年近い。会長職は96年から現在まで21年間に及ぶ。熊本県農業会議で2011年から3年間、副会長も務めた。「農業委員として人のために役に立ちたい」との思いから委員になり、旧上村議会議員やJA理事も歴任し、農家の信頼も厚く就農や農地の相続問題など幅広く相談に応じる。
 田畑15ヘクタールを耕作する現役で、耕作放棄地への目配りを欠かさない。一度農地が荒れると容易には作物が作れず、売買できない。荒れた農地は周囲の田畑にも悪影響を与えると、遊休地対策に一層の熱意を注ぐ。
 「農業委員会とは、農家と農地のために尽力すること」が活動の信条。高齢化の進行を抑え、農地を効率的に活用できる担い手農業者の育成が必要と考える。
 「魂ば入れて、農地ば守らんばん」。そう語る鶴田さんの信念は、傘寿とは思えないほど強く熱い。