農地利用の最適化へ積極活動で成果着々 長野 南箕輪村農業委員会

 長野県の南箕輪村農業委員会(髙木繁雄会長)は昨年7月に改選が行われた。農業委員11人、農地利用最適化推進委員4人による新体制のもと、今年3月までに実質化された「人・農地プラン」に基づき、農地利用の最適化推進活動に積極的に取り組んでいる。

調整会議では
貸付・売渡希望農地を落としこんだ大判の地図で
希望農地を調整

 南箕輪村では、プランの対象地区を水田地域、畑作北部、畑作中部、畑作南部の大きく四つに分けており、アンケート調査をもとに、地区の実情に応じて定めた中心経営体への農地の集約化方針に基づき、着実に取り組みを進めている。
 その中での農業委員会の具体的な取り組みは、農地利用調整会議に基づくマッチング活動だ。今年の調整会議はプランに登録されている担い手農業者や新規就農希望者を集めて1月29日に開催した。事前に意向調査で集約した農地所有者の貸付・売渡希望農地や農地中間管理事業申出農地を農地利用地図に落とし、会議の参加対象者に送付。会議当日までに借受・買受希望農地の具体的な場所をイメージしてもらった。
 会議当日は、貸付・売渡希望農地の状況を落としこんだ大判の地図をもとに、その場で要望や周辺のバランスを取りながら話し合いで希望農地を調整していく。農業委員と推進委員は担当地区に分かれて、希望者からの詳細な農地状況の質問に答えたり、希望農地が重なった場合の仲介を行った。
 当日の調整結果は次回の農業委員会総会までに一覧表にして担当地区の委員に配布し、最終的に契約が成立するまで話し合いを継続。また、2月、3月にかけて委員が地主や借受・買受希望農家に連絡をとり、4月までに希望農地件の約9割の契約が成立した。

相談会で
農地の貸借・売買などの相談に
熱心に対応する農業委員と推進委員

 同委員会では、年に数回、農地相談会を開催し、「農地を貸したい・売りたい」「営農規模を拡大したいので、農地を借りたい」といった相談に応じている。昨年までは平日の夜間に開催していたが、髙木会長は
「なるべく参加しやすいようにするため、今年から土日の昼間に開催することにした」と話す。
 3月6日に開いた相談会は事前に村報や農業委員会だよりで周知し、15人の相談者が参加した。農地の貸借・売買の相談に加え、農振除外や水利費の相談があり、農業振興部会に所属する農業委員と推進委員7人が3班に分かれて対応した。
 毎年8月の利用状況調査を効率よく進めていくため、2017年度からタブレット端末を活用した利用状況調査を行っている。「紙ベースで行うより手間が省け、現地の確認作業が効率よく行えるようになった」と事務局職員は感想を語る。
 また、利用状況調査後に行う意向調査の結果を踏まえ、各委員が農地中間管理事業の推進や農地のあっせん、多面的機能支払交付金の活用に向けた活動など、遊休農地対策に精力的に取り組んでいる。その結果、遊休農地の解消面積は2019年度2.94ヘクタール、2020年度3.7ヘクタールと年々増加。遊休農地率は1%まで減少している。