人と組織をサポート 経営法人化へアドバイス 福島県農業会議

 福島県農業会議(太田豊秋会長)は、県内で農業経営の法人化を目指す農業者・組織に対しての支援を行っている。
 同農業会議では、以前から法人化や農業経営の課題解決に向けた相談対応、コンサルティングなどを行ってきたが、特に震災以降、法人化を目指す経営体からの相談は多様化し、経営主体や目指す方向性もさまざまだ。
 個人経営のさらなる発展を目指す経営体もあれば、若い担い手が不足し、集落営農による地域農業の維持に期待をかける地域もある。震災による津波被害、原発事故の影響を受けた地域では、農業の再開に向けて、農地を集積し、大規模な土地利用型の経営を検討している場合もある。
 こうした多様な要請に応じ、現場の状況と将来の展望を見据えて支援に取り組んでいる。昨年度は144件の相談対応をし、20法人の設立に関わった。
 法人化の支援にあたっては税理士、司法書士、社会保険労務士などの専門家を派遣するほか、法人経営体育成アドバイザーを設置するなど、さまざまな経営課題に対応できる体制をとる。
 また、法人化後の農地の権利取得や経営改善計画の認定、新規作物の導入に関する技術指導など多岐にわたる課題に対応するため、農業委員会や県、市町村の農政部局、JAなどの関係団体と連携し、設立後の運営にも万全を期している。
 そのほか、毎年県内で法人設立や税務、労務管理など経営改善に資する研修会(アグリビジネススクール)を開催しており、農業者から好評を得ている。
 同農業会議の尾久晴紀主事は「農業委員会法改正で、農業委員会ネットワーク機構として法人化などの支援が改めて本会の業務として明確化された。農業者の不安を取り除き、よりよい経営につなげられるようきめ細やかで適切な支援を行っていきたい」と話す。
 法人化などに係る相談は電話・面談でも対応している。相談費用はかからない。
 問い合わせは、福島県農業会議(電話024・524・1201)まで。

写真説明=農業法人設立の研修会(アグリビジネススクール)