農委魂 新規就農者を支える 京都・綾部市農業委員会委員 諏訪 實幸さん

 諏訪委員が担当する奥上林地区(15集落)には高齢化率100%の限界集落もあり、遊休農地の発生は切実な問題だ。「食料は地球規模で不足しているから、きっと農業の時代が来る。その時まで地域の農地は荒らせない」と不作付け地の草刈りに奮闘する毎日。
 山間地の奥上林で、“大規模担い手への集積”というストーリーは成立しない。“小農で支える”が諏訪委員の持論だ。
 「一人でも多くの人に農にかかわってもらい、ともに地域と農地を守ろう」と農業委員4期を務める間、3人の新規就農者を迎えた。農地のあっせんはもちろん、栽培技術の指導のほか、農業だけで生活するのが厳しい地域だから、副業まで紹介したこともある。
 「水源の里として水環境に恵まれた奥上林だからこそ、こだわりの農業もできる」と自ら自然農法で野菜づくりに取り組みながら、就農や移住の希望者にメッセージを送り続ける。