農地利用の最適化進め次代へつなぐ活動継続 佐賀 神埼市農業委員会

農地利用の最適化の推進に向けた
活動班
(尾崎・竹地区)
定期ミーティングの様子

 神埼市農業委員会(西村睦雄会長)では、農業委員13人と農地利用最適化推進委員20人、事務局3人が協力し、担い手への農地集積や遊休農地の解消活動など農地利用の最適化に向けた取り組みに力を入れている。

 同市では2007年の品目横断的経営安定対策の導入を契機に、多くの集落営農型の農事組合法人が誕生。リタイアする農家の農地の受け皿となってきた。同委員会では農業委員・推進委員が離農や規模縮小を希望する農家の意向の把握に努めて、地域の農事組合法人や担い手への利用権設定に結びつけている。また、毎年数値目標を立てて集積に取り組んでおり、担い手への農地集積率は8割を超える高い水準となっている。
 同委員会では、利用状況調査後も、継続して遊休農地の現状確認に努めている。市内を13区域に分けた班体制を組み、両委員が協力して現地を確認する。遊休農地の状況は記録に残し、きめ細かな情報共有を図っている。
 利用意向調査で返信がなかった農地所有者に対しては委員が戸別訪問を行い、利用意向を把握。遊休農地の利用を促すとともに場合によっては非農地通知を発出するなど対応している。

 また、農業委員・推進委員合同の研修会を年4回開催。両委員が二人三脚で活動している農地利用の最適化活動を報告し、優良事例を共有することにより相乗効果を生んでいる。

農地利用の最適化に向けた山間地区担当委員の活動の様子
(2020年3月開催、非農地通知に関する地区説明会)

 こうした日々の活動により、担い手への農地集積率は21年3月時点で86.8%まで上昇。18年3月に比べ2.7%アップした。遊休農地面積も21年3月時点で50.3ヘクタールとなり、18年3月から2.2ヘクタール減少している。
 本年度は農地利用の最適化活動の重点として、(1)現場に出向く委員活動を基本とし、畦道での立ち話により地域の農業者の意向を聞き受け、人・農地プランの実質化に向けた話し合いに反映させる(2)活動班による遊休農地の定期的な現地確認(毎月1回)と遊休農地所有者の意向把握、遊休農地解消に向けた“働きかけ活動”の推進に努める(3)新規就農希望者の相談活動を各支援機関と速やかに情報共有し、継続的な支援に努める――の3点を掲げている。
 西村会長は、「委員の班体制による活動をより一層強化して農地利用の最適化を進めることにより、農地を守り次の世代へつなぐ活動を継続していきたい」と意欲を語る。