担い手への集積率、67.3%に 青森・五所川原市農業委員会

地元園児たちにサツマイモの植え方を教える農業委員

 五所川原市農業委員会(森義博会長)は、農業委員会組織が全国運動として取り組んでいる「地域の農地を活かし、担い手を応援する全国運動」を精力的に展開し、認定農業者制度の普及推進や、担い手への集積・集約化を推進、遊休農地発生防止・解消対策に取り組んでいる。

 同委員会では、農業委員20人と農地利用最適化推進委員20人が、「人・農地プラン」に位置付けられた認定農業者や集落営農組織などの担い手を対象に、農地中間管理事業を活用した農地の集積・集約に積極的に取り組んでいる。
 昨年の10月には農家を対象とした意向把握調査を実施。その後に開かれた「人・農地プラン集落座談会」には担当地区の農業委員と推進委員が参画して意見交換を行った。また、年6回発行する「ごしょがわらし農業委員会だより」には、農地の出し手情報を掲載し、担い手への集積・集約につなげている。
 その結果、9290ヘクタールある耕地面積のうち、2019年度の新規集積面積は818ヘクタールにのぼり、担い手への集積面積は6248ヘクタール、集積率は67.3%まで拡大している。

 遊休農地の発生防止・解消対策も積極的に進めている。毎年8月から9月に農業委員と推進委員が担当地区ごとに分かれて農地パトロールを実施。市部局との連携の下、前年度の調査結果をもとに状況を確認する。その際、「再生可能」と判断した農地の所有者に対しては徹底した利用意向
調査を実施している。

 担い手支援対策では、同委員会に事務局を置く「五所川原市認定農業者協会」と一体となり、認定農業者をはじめとする担い手に対する農政情報の提供、認定農業者制度の周知・普及の活動を行っている。

 同委員会は農業経営改善計画認定申請書の窓口も担当。認定農業者や新規就農希望者、新規参入者の相談窓口となっている他、県農業会議との共催で農業簿記講座も開いている。また、五所川原市農業者年金協会と協力した農業者年金の加入推進活動を行うなど、充実した担い手支援対策を行っている。

 同委員会では、食育や地産地消促進に向けた活動も展開している。その一つが農業体験学習事業。市内のこども園、社会福祉施設、ViC・ウーマン(県認定の農山漁村女性リーダー)などからの協力を得ながら、地元園児を対象にサツマイモの定植・収穫作業体験やリンゴの収穫作業体験を行っている。また、地産地消を進める「五所川原市地産地消を進める会」の事務局も担当しており、農産物の販売を目的とした「夕市」の開催、郷土料理のおいしさと収穫の喜びを伝える「地産地消を楽しむ会」などを開催している。